妊娠末期に発症するHELLP症候群について

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HELLP症候群

HELLP症候群とは妊娠末期に多く発症する溶血、肝酵素上昇、血小板減少を三徴とする症候群。

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3徴の頭文字からHELLP

  • Hemolysis(溶血)
  • Elevated Liver enzyme(肝酵素上昇)
  • Low Platelet(血小板減少)
くみちょう
覚えやすいようで覚えられない...
えさきち
HELLPの3徴を覚えれば症状・検査所見などの理解にもつながります。しっかり覚えよう!

産褥婦に見られる

妊娠末期に多いが、妊娠中期〜産褥期にかけて見られる症候群である。後の治療法で記述するが、HELLP症候群を発症した場合、母体・胎児共に様々な合併症が起こりうるため、治療の原則はターミネーションである。

えさきち
だからこそ、もしHELLP症候群を発症した場合は早期に発見し対応することが重要になります。

妊娠高血圧症候群PIHに合併することが多い

約90%が妊娠高血圧症候群に合併する。その他、経産婦・多胎妊娠に多いとされ、70%が分娩前に発症、約30%が分娩後(特に48時間以内)に発症する。

HELLP症候群の原因・検査所見・症状

早期発見の為には症状検査所見を正しく読み、症状から鑑別をすることが大切。

原因は肝動脈の攣縮と考えられている

原因の詳細は不明であるが、肝動脈の攣縮と考えられている。肝動脈の攣縮により肝臓が虚血状態になり肝酵素の逸脱を認め、血管では溶血(破砕赤血球あり)と血小板凝集を認める。

3徴から考える検査所見

えさきち
様々な検査所見が認められますが、それらを3徴と関連するものです。
3徴 検査所見 病態
Hemolysis Bil↑

LDH↑

血管攣縮による破砕
Elevated Liver enzyme AST↑

ALT↑

肝臓の虚血による肝細胞障害
Low Platelet  Plt↓ 血小板凝集・血栓形成による消耗

肝酵素上昇は肝細胞障害が要因で、血小板の減少は血小板凝集・血栓形成により消耗性に消費されるからである。

溶血の見方

溶血することで細胞内逸脱酵素のLDHが上昇する。

Bilは直接赤血球から逸脱するわけではなく、Hb(ヘモグロビン)が血中に漏れて脾臓でヘムとグロビンに分解される。ヘムの構成成分のポルフィリンが間接ビリルビンになる。

<脾臓でHbがトラップ・分解されて間接ビリルビンへ>

Hb = ヘム + グロビン

ヘム = Fe2++ポルフィリン

ポルフィリン→間接ビリルビンへ

末梢血スメアにて破砕赤血球や有棘赤血球を認めれば、溶血は確定となる。

症状は上腹部痛などが中心

<3つの初発症状>

  1. 突然の上腹部痛〜右季肋部痛
  2. 疲労感・倦怠感
  3. 悪心・嘔吐

治療

原則はターミネーション。

合併症が多いため。

HELLP症候群まとめ
  • 妊娠末期に多く発症
  • 溶血、肝酵素上昇、血小板減少を3徴とする症候群
  • Hemolysis、Elevated Liver enzyme、Low Plateletの頭文字からHELLP
  • 約90%に妊娠高血圧症候群(PIH)を合併
  • 原因は肝動脈の攣縮と考えられている
  • Bil、LDH、AST、ALT↑ & Plt↓
  • 症状は腹部症状がメイン
  • 妊娠後期に腹部症状や3徴を示唆する検査所見を認めたらまずHELLP症候群を疑う
  • 原則はターミネーション
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コメント

  1. くらじゃいる より:

    お疲れ様です。

    医師国家試験の110D18で、HELLP症候群の3徴の『溶血』を『貧血』と勘違いし、ヘモグロビンを検査項目に入れてしまったことを思い出しました。

    ところで、『肝動脈の攣縮』が『冠動脈の攣縮』となっている箇所がいくつか見受けられます。機会がございましたら訂正よろしくお願い致します。

    • Shunsuke Esaki より:

      お疲れ様です。私も今110回を解いているところです。
      こういう資格試験では病態を理解して思考力だけを養っても、確実な知識の引き出しを各々持ってないと混同してしまうのが悩みどころですよね。

      ご指摘ありがとうございます。
      訂正しておきます。

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