PDとMIBG心筋シンチ
MIBG心筋シンチグラフィーはParkinson病の早期診断に有用なものです。
と、その前に
下の2つの違いがわかっていない人は理解したうえで進んでください。
パーキンソニズムを認めた場合、Parkinson病と診断するためにはParkinson症候群の疾患の数々を除外する必要があります。除外するとともに典型的な安静時振戦などParkinson病の疑いを強める所見、つまり鑑別に有用な所見があります。
MIBG心筋シンチグラフィーはParkinson病の疑いを強める鑑別に有用な所見でもあります。
繰り返しますが、
Parkinson病の発症早期の補助診断としてMIBGシンチグラフィーが有用です。MIBGとはノルアドレナリンの類似物質で心筋の交感神経終末に取り込まれます。
しかし、発症早期のParkinson病では心臓と縦隔の取り込み比 H/Mが低下します。一方、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統委縮症(MSA)、脳血管性パーキンソニズムなどのParkinson症候群では取り込みは保たれます。
しかしながら、自律神経障害(糖尿病性ニューロパチーなど)ではMIBGの取り込みの低下がみられるので注意が必要です。
DLBとMIBG心筋シンチ
また、Lewy小体型認知症(DLB)でも取り込みが低下することがわかっています。
DLBはアルツハイマー型認知症に次ぐ多さの認知症で、認知機能障害、鮮明な幻視、パーキンソニズムを呈する疾患です。
Lewy小体型認知症の診断にもMIBG心筋シンチグラフィーは有用です。
レビー小体病
Parkinson病もDLBもレビー小体病に属し、病理学的連続性を持っています。
Parkinson病が進行すれば認知症を合併することは十分考えられます。
DLBにパーキンソン症候群を合併した際にも、臨床的には
なにが言いたいかというとこの2つはレビー小体病で似た疾患だということ。
そう考えられればMIBG心筋シンチグラフィーで取り込み低下をきたす疾患と言われれば
- Parkinson病
- レビー小体型認知症