Nikolsky現象とは、健常な皮膚に機械的刺激(圧迫・摩擦)を加えると表皮の剥離もしくは水疱を生じる現象のことです。
表皮細胞同士の結合が緩む疾患で陽性になります。つまり、Nikolsky現象は表皮内病変の存在を示唆します。
<Nikolsky現象陽性になる疾患>
- TEN(中毒性表皮壊死症)
- 天疱瘡
- 先天性表皮水疱症
- SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)
ゴロで覚える
ニコルさん、点々(TEN、天疱瘡)、水疱(先天性表皮水疱症)、SOS(SSSS)
ススススッ → SSSS
天疱瘡
天疱瘡は後天性自己免疫性の水疱症で、表皮内水疱です。
類天疱瘡は表皮下水疱!
自己免疫性の素因がありますから、”局所”の皮疹ではありません。一見正常に見える皮膚も皮疹を生じるリスクがあります。
TEN
TENは重症型薬疹の一つで、粘膜症状・全身症状を伴いびらんの面積が30%以上あるものです。”ヤケド”のように表皮がただれる疾患で、Nikolsky現象陽性になります。
SSSS
SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)は黄色ブドウ球菌の表皮剥脱酵素(菌体外毒素)が血中に入り、全身の皮膚に達して起きる中毒反応で表皮の棘融解を認めます。