末梢神経障害は感覚・運動・自律神経障害
末梢神経障害の障害は大きく分けて3つあります。
- 感覚障害
- 運動麻痺
- 自律神経障害
しかし、どの系統が症状として強く出るかは疾患によってさまざまです。たとえばGuillain-Barre症候群は末梢神経障害がでますが運動麻痺が優位に出現します。
また運動・感覚神経が障害されるので反射の減弱・消失は局在診断上でも非常に重要な所見です。
感覚障害
感覚障害症状としては
手足がしびれる、ピリピリする、(針で刺されたように)チクチクする
感覚鈍麻
などがあります。
末梢神経は基本的に四肢末端(特に足)から障害されることが多いのが特徴です。
エピソード例) 両足末端がピリピリする → 膝下まで範囲が上行 → 手にもしびれが出現
体幹での末梢神経障害を測定するときも同様で臍部の感覚鈍麻がないかを測定します。これも脊髄から、ぐるーっと表在を神経が回って臍周囲に到達する分神経繊維が長く伸びており、障害されやすいためです。
運動麻痺
筋委縮・筋力低下などがあります。
感覚神経と同様に下肢末端から筋力低下が生じることが多く、その中でも拇趾が一番鋭敏な指標になります。つまり、もっとも筋力低下を早く認めやすいところというわけです。
自律神経障害
自律神経障害には、膀胱直腸障害・起立性低血圧などがあります。症状は多彩なので整理しておきましょう。
腱反射の減弱・消失
繰り返しますが、末梢神経障害では反射に関与する運動・感覚神経が障害されているので腱反射の減弱・消失が認められます。
反射の減弱・消失を認めた場合は、感覚神経・下位運動ニューロン・筋神経接合部の障害を考えます。
末梢神経障害をきたす疾患
代表的なものだけ紹介します。
- 糖尿病性ニューロパチー
- Charcot-Marie-Tooth病
- ビタミンB1欠乏症(脚気)
- Guillain-Barre症候群など