West症候群は
小児に重要な予後不良のてんかん
- 6か月~2歳児(特に乳児)に好発する
- 点頭(頭を瞬間的にガクンと前屈)を呈する
- 発作は群発しシリーズを形成する
- 精神・運動発達遅滞は必発である
- hypsarrhythmia(ヒプスアリスミア)が特徴的な脳波である
- 第一選択薬はACTH、ビタミンB6
West症候群って?
- 小児痙屈発作(点頭発作)
- 精神運動発達遅滞
- 脳波異常(hypsarrthmia)
三主徴とします。
潜在性West症候群と症候性West症候群
West症候群には潜在性と症候性があります。
潜在性 | 症候性 |
原因が見当たらない | 基礎疾患あり |
児の多くは脳に器質的障害を持ち(つまり症候性West症候群)予後不良です。(West症候群の3分の1がLennox-Gastaut症候群に移行すると言われている。)
潜在性West症候群:てんかん発症前の発達が正常で基礎疾患が見つからないもの。一般的には潜在性のほうが予後が良い傾向がある。
6か月~2歳児(特に、乳児)に好発し、軽度の精神・運動発達の退行により気づかれることもあります。
点頭てんかん
頭をガクンと前に倒すような動き(点頭)をすると同時に上下肢を振り上げる動作や四肢体幹のけいれん発作を数秒間隔で繰り返しシリーズを形成します。毎日 数シリーズ起こします。
特徴的な症候からWest症候群のことを「点頭てんかん」ともいいます。
寝起きや寝入りばなに多いことが特徴です。
特徴的な脳波
West症候群に特徴的な脳波としてhypsarrhyshmia(ヒプサリズミア、またはヒプサアリスミア)がある。発作の間欠期にみられ、棘波、鋭波が無秩序に入り混じった高振幅な1~5Hzの徐波である。
West症候群の治療
west症候群の第一選択薬はACTHまたはビタミンB6。
ビタミンB6に加え、抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム)で効果がなければACTH療法を行う。
薬物治療抵抗性の症例の多くは、Lennox-Gastaut症候群などの難治性のてんかんに移行する。