インスリノーマって?その機序
インスリノーマ(insulinoma)は消化管ホルモン産生腫瘍の中で最多。
膵ラ島β細胞由来の腫瘍
→低血糖で抑制されないインスリン分泌
→"空腹時"の低血糖発作
<他のインスリノーマの周辺知識>
- 単発で腫瘍径は2cm以下の小さいものが多い
- 良性である場合が多い
- MEN1型の合併率は数%(MEN1型の20%に合併。ガストリノーマが最多)
さてさてWhippleの3徴候って?
と、その前に…一言。
Whippleの3徴
- 空腹時または運動時の低血糖症状
- その時の血糖値が 50mg/dL 以下
- ブドウ糖投与による症状の改善
これらがインスリノーマにおいて診断的価値が高い。
空腹時または運動時の低血糖発作
血糖が低下しがちな空腹時または運動時に低血糖発作をきたすことが特徴であり。
低血糖発作には意識障害や交感神経症状がある。
<意識障害>
脳はグルコースを主なエネルギー源にしています。低血糖状態は脳の重篤なエネルギー不足を招き、意識障害、けいれん発作をきたす。
<交感神経緊張症状>
急激な血糖低下を生じた際の低血糖発作である交感神経緊張症状には
- 動機
- 頻脈
- 発汗
- 振戦
などがあるが、これらは急激な血糖低下に反応し副腎髄質からカテコラミンが分泌されたことによる症状。
発作時の血糖値が 50mg/dL以下
これは”低血糖の証明”である。意識障害で運ばれて来たらまず採血をするが、その際(発作が起きているとき)の低血糖か高血糖かが重要で、補充してからでは証明にならない。
ブドウ糖投与による症状の改善
これは摂食でよい(ブドウ糖 10gをさっと摂食してもらう)